やまめとり
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曉の夢を落して
白雲の衾被きて
一夜さは關路に睡れ
旅ながら君も少女の
玉匣箱根の谷に
鯇捕るわれは賤の子
早川の水上遠く
木賀にこそ秋はたけたれ
白玉の沈く淺瀬に
かゝぐれど褄はぬれつゝ
春風に散るや前髮
わきばさむ畚の重きに
相摸の海月は通ふも
高殿に琴なしらべそ
夢にして偸みも聽かば
君により睫しめらむ
水色の袖の長きを
飜へす手に指輪きらめき
胸高に帶を結べば
歩むにも花のこぼれむ
行く水に散浮く花の
悲きは花の行方か
そよわれと都大路に
銀の鞭も振りしを
行く水に散浮花の
いつまでか面輝く
うすものに伽羅を炷きしめ
唇に紅はさせども
行く水に散浮花の
花なれや匂むなしき
溺れんか淵に水あり
碎けんか河原の石に
辛かりし夢よりさめて
幻の雲にかくれん
葦の海に影さす月も
秋よりや光澄むらむ
春日野の白き葉は
さながらに君の色なれ
湖の小舟棹さし
曉を星に泣くとも
山桃の花咲く頃は
新月の眉を剃るらむ
足柄の山をめぐりて
行く水にわれは散る花
行く水にわれは花とぞ散りぬべき
足柄山の春の夕ぐれ
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