朝日の前
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あはれ、日の出、
山山は酔へる如く、
みな喜びに身を揺りて、
黄金と朱の笑まひを交し、
海と云ふ海は皆、
虹よりも眩ゆき
黄金と五彩の橋を浮べて、
「日よ、先づ
此処より過ぎたまへ」とさし招き、
さて、日の脚に口づけんとす。
あはれ、日の出、
万象は
一瞬にして、奇蹟の如く
すべて変れり。
大寺の屋根に
鳩のむれは羽羽たき、
裏街に眠りし
運河のどす黒き水にも
銀と珊瑚のゆるき波を揚げて、
早くも動く船あり。
人、いづこにか
静かに怠りて在り得べき。
あはれ、日の出、
神神しき日の出、
われもまた
かの喬木の如く、
光明赫灼のなかに、
高く二つの手を開きて、
新しき日を抱かまし。
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