罌粟の花

与謝野晶子

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この草原に、誰であろ、 波斯の布の花模様、 真赤な刺繍を置いたのは。 いえ、いえ、これは太陽が 土を浄めて世に降らす 点、点、点、点、不思議の火。 いえ、いえ、これは「水無月」が 真夏の愛を地に送る ※いくちづけ、燃ゆる星眸。 いえ、いえ、これは人同志 恋に焦れた心臓の 象形に咲く罌粟の花。 おお、罌粟の花、罌粟の花、 わたしのやうに一心に 思ひつめたる罌粟の花。

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