ミユンヘンの宿

与謝野晶子

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九月の初め、ミユンヘンは 早くも秋の更けゆくか、 モツアルト街、日は射せど ホテルの朝のつめたさよ。 青き出窓の欄干に 匍ひかぶされる蔦の葉は 朱と紅と黄金を染め 照れども朝のつめたさよ。 鏡の前に立ちながら 諸手に締むるコルセツト、 ちひさき銀のボタンにも しみじみ朝のつめたさよ。

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