モンマルトルの宿にて

与謝野晶子

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あれ、あれ、通る、飛行機が、 今日も巴里をすぢかひに、 風切る音をふるはせて、 身軽なこなし、高高と 羽をひろげたよい形。 オペラ眼鏡を目にあてて、 空を踏まへた胆太の 若い乗手を見上ぐれば、 少し捻つた機体から きらと反射の金が散る。 若い乗手のいさましさ、 後ろを見捨て、死を忘れ。 片時やまぬ新らしい 力となつて飛んで行く、 前へ、未来へ、ましぐらに。

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