日曜の朝飯

与謝野晶子

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さあ、一所に、我家の日曜の朝の御飯。 (顔を洗うた親子八人、) みんなが二つのちやぶ台を囲みませう、 みんなが洗ひ立ての白い胸布を当てませう。 独り赤さんのアウギユストだけは おとなしく母さんの膝の横に坐るのねえ。 お早う、 お早う、 それ、アウギユストもお辞儀をしますよ、お早う、 何時もの二斤の仏蘭西麺包に 今日はバタとジヤムもある、 三合の牛乳もある、 珍しい青豌豆の御飯に、 参州味噌の蜆汁、 うづら豆、 それから新漬の蕪菁もある。 みんな好きな物を勝手におあがり、 ゆつくりとおあがり、 たくさんにおあがり。 朝の御飯は贅沢に食べる、 午の御飯は肥えるやうに食べる、 夜の御飯は楽みに食べる、 それは全く他人のこと。 我家の様な家の御飯はね、 三度が三度、 父さんや母さんは働く為に食べる、 子供のあなた達は、よく遊び、 よく大きくなり、よく歌ひ、 よく学校へ行き、本を読み、 よく物を知るやうに食べる。 ゆつくりおあがり、 たくさんにおあがり。 せめて日曜の朝だけは 父さんや母さんも人並に ゆつくりみんなと食べませう。 お茶を飲んだら元気よく 日曜学校へお行き、 みんなでお行き。 さあ、一所に、我家の日曜の朝の御飯。

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