青き葉の銀杏のはやし

北原白秋

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青き葉の銀杏の林、 細らなる若樹の林。 はた、青き白日の日かげに、 葉も顫ふ銀杏の林。 そのもとを北へかすめる、 ひややけき路のひとすぢ、 かすかにも胡弓まさぐり、 ゆめのごと、われはたどりぬ。 青き葉の銀杏の林 行き行けど路は尽きなく。 細らなる若樹のはやし、 頬白の鳴く音もきかず。 すすりなく愁の胡弓、 葉の顫ひ、青き日かげ。 さはひとり、われとさすらひ、 われと弾き、聴きもほれつつ、 日もすがら涙さしぐむ、 青き葉のかげをゆく身は。 それとなきもののかぜにも、 弱ごころ耳しかたむけ。 たちとまり、ながめ、みかへり、 あはれさの絃をちからに。 ひそやかに、また、しづやかに、 にほやかに尋めもなやめば。 薄らなる青の絹衣も、 いつしかに露にしなえぬ。 さあれ、なほ弾きゆく胡弓、 はてもなき路のゆく手に。 いつまでかかくて泣きつつ、 いつまでかかくもあるべき。 あはれ、あはれ、銀杏の林、 青き青き若樹の林。

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