大太皷の印象

北原白秋

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跳りいづ、赤き獣、     どんどん……… とみかう見、円らに笑ひ、はた跳る。     どんどん……… あなやいま街の角より人曲る。     どんどん……… また来る。     どんどん……… 赤き獣はふと消えて幼子となり、     どんどん……… 電車線路を匍ひめぐる。人また見ゆる。     どんどん……… あな、うち転ぶ人のむれ、音もころころ。     どんどん……… 幼子のうへに重なる。また転ぶ。     どんどん……… 逃げんと呻く間もなく、ひびきものうく、     どんどん……… 鈍き電車は唸り来る。はた、轢き過ぐる。     どんどん……… 時に真白の雲の団街よりのぼり、     どんどん……… かき消ゆる人のあとより     どんどん……… また跳る赤き獣     どんどん……… とみかう見、盲ひて笑ひ、はた、傲る。     どんどん……… 四十一年八月

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