紅花一輪
本文の表示
なつかしき南の海……
なつかしきは伊豆の國かな
二日三日 わがのがれきて
ひとり愁ひを養へる
宿のうしろのきりぎしの
ほのぐらき雜木まじりに
ひともとたてるやぶ椿
いま木洩れ陽のかげうごく
ふとしも見れば
ここだくの花は古りたる もも枝の
そのひと枝ゆ
この朝さきしばかりの 新らしき紅花一輪
廊わたるわれにむかひて眼くばせす
神在す――
わが心既におとろへ 久しくものに倦んじたり
神在すとは 信うすきわれらが身には 何の證しもなけれども
われは信ず
ただにわづかに
われは信ず
かの紅花一輪 わがためにものいふあるを
如何に 如何に
人人百度もわれをたばかりあざむく日にも
われは生きん
われは生きん
――かの一輪の花の言葉によりてこそ
ログインすると、お気に入り登録や選集への追加ができます。
ログインすると、この作品に自分だけに見えるメモを残せます。
紅花一輪の談話
疑問や連想、ちょっとした読み方などを気軽に話せます。
まだ投稿はありません。
紅花一輪に寄せられた作品
詩から生まれた翻案・イラストや、朗読・解説などの関連リンクを持ち寄れます。
まだ投稿はありません。
批評・感想 0
作品から読み取ったことや、自分の中に生まれた感覚をまとまった文章で残す場所です。
まだ解釈・感想はありません。
ログインすると解釈・感想を書けます。