のびてゆく不具
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わたしはなんにもしらない。
ただぼんやりとすわつてゐる。
さうして、わたしのあたまが香のけむりのくゆるやうにわらわらとみだれてゐる。
あたまはじぶんから
あはうのやうにすべての物音に負かされてゐる。
かびのはえたやうなしめつぽい木霊が
はりあひもなくはねかへつてゐる。
のぞみのない不具めが
もうおれひとりといはぬばかりに
あたらしい生活のあとを食ひあらしてゆく。
わたしはかうしてまいにちまいにち、
ふるい灰塚のなかへうもれてゐる。
神さまもみえない、
ふるへながら、のろのろしてゐる死をぬつたり消しぬつたり消ししてゐる。
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