唇のやうな良心
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死ぬ死ぬと口にしたばかりに
そんな男に限つて死に切れないでゐるものばかりがあるばかりに
私にまでも
口ばつかりとおつしやるんで
私は死にたくなるのである
あなたの目は佛壇のやうにうす暗い
蔑視蔑視と言つて私はあなたの視線を防いでばかりゐるので
あなたを愛する暇が殆どないのでかなしいのである
えぷろんのぽけつとから まつちをつまみ出したあなたの指を見てゐた時からだつた
私は私の良心が もしや唇のやうな恰好をしてゐるのではないかとそれがかなしくなるばかりである
だから
愛する愛すると私が言ふてゐるのに
嘘々とおつしやるのが素直すぎてかなしいのである
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