賑やかな生活である
本文の表示
誰も居なかつたので
ひもじい と一聲出してみたのである
その聲のリズムが呼吸のやうにひびいておもしろいので
私はねころんで思ひ出し笑ひをしたのである
しかし私は
しんけんな自分を嘲つてしまふた私を氣の毒になつたのである
私は大福屋の小僧を愛嬌でおだててやつて大福を食つたのである
たとひ私は
友達にふきげんな顏をされても 侮蔑をうけても私は メシツブでさへあればそれを食べるごとに 市長や郵便局長でもかまはないから 長の字のある人達に私の滿腹を報告したくなるのである
メシツブのことで賑やかな私の頭である
頭のむかうには 晴天だと言つてやりたいほど無茶に 曇天のやうな郷愁がある
あつちの方でも今頃は
瘠せたり煙草を吸つたり咳をしたりして 父も忙しからうとおもふのである
妹だつてもう年頃だらう
をとこのことなど忙しいおもひをしてゐるだらう
遠距離ながらも
お互さまにである
みんな賑やかな生活である
ログインすると、お気に入り登録や選集への追加ができます。
ログインすると、この作品に自分だけに見えるメモを残せます。
賑やかな生活であるの談話
疑問や連想、ちょっとした読み方などを気軽に話せます。
まだ投稿はありません。
賑やかな生活であるに寄せられた作品
詩から生まれた翻案・イラストや、朗読・解説などの関連リンクを持ち寄れます。
まだ投稿はありません。
批評・感想 0
作品の表現や構成を検討し、根拠を示しながら評価・講評する場所です。
まだ批評・講評はありません。
ログインすると批評・講評を書けます。