征矢の光

横瀬夜雨

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鳥鳴き過ぐる   巖の上に 黄金の弓を   携へて 征矢の行方を   見送れば 光はそれか   入相の 西に聚まる   紫の 霞の底に   潛みては 白羽の影を   中天に 漂ふ雲の   縁に投げ 浪靜かなる   大和田の 八重の潮路に   煌めけば 沖行船も   紅の 流れし中に   隱れけり 鏃は天に   とゞまりて 新たに星と   生りにけむ おぼめかしくも   北の方に 落る光の   弱きかな 野火により來る   小牡鹿の 外山に啼くは   聞ゆれど 鴎下り居し   白濱の 潮に朝の   聲絶えて 貴艶なる嫦娥の   顏は さし出づる月の   色に見えて 露置きそめし   秋の野に 夕の聲の   かすかなり

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