大きな黒い手
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おお、寒い風が吹く。
皆さん、
もう夜明前ですよ。
お互に大切なことは
「気を附け」の一語。
まだ見えて居ます、
われわれの上に
大きな黒い手。
唯だ片手ながら、
空に聳えて動かず、
その指は
じつと「死」を指してゐます。
石で圧されたやうに
我我の呼吸は苦しい。
けれど、皆さん、
我我は目が覚めてゐます。
今こそはつきりとした心で
見ることが出来ます、
太陽の在所を。
また知ることが出来ます、
華やかな朝の近づくことを。
大きな黒い手、
それは弥が上に黒い。
その指は猶
じつと「死」を指して居ます。
われわれの上に。
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