赤き恐怖
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わかうどよ、汝はくるし、尋めあぐむ苦悶の瞳、
秀でたる眉のゆめ、ひたかわく赤き唇
みな恋の響なり、熟視むれば――調かなでて
火のごとき馬ぐるま燃え過ぐる窓のかなたを。
はた、辻の真昼どき、白楊にほひわななき、
雲浮かぶ空の色生あつく蒸しも汗ばむ
街よ、あな音もなし、鐘はなほ鳴りもわたらね、
炎上の光また眼にうつり、壁ぞ狂へる。
人もなき路のべよ、しとしとと血を滴らし
胆抜きて走る鬼、そがあとにただに餞ゑつつ
色赤き郵便函のみくるしげにひとり立ちたる。
かくてなほ窓の内すずしげに室は濡るれど、
戸外にぞ火は熾る、………哀れ、哀れ、棚の上に見よ、
水もなき消火器のうつろなる赤き戦慄。
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