新麗なる眞晝

佐藤惣之助

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すさまじきまでに、清らかなる 岩角や深山木のほとりに みつしりと濕つて咲盡くせる 雪割草や處女袴の新らしき花蕚を 僕は靜かな恐怖の智慧のやうに身にかんじる これほど雪と西風に洗はれてゐる嶽の するどい自然色のうちから あんなにもひそひそと、うすい煙のやうに 僕の官能に色をつけてうつり映える あのあまりに愛らしい花冠や花序のつらなりが ものすごいほど清純で、ひびきもなく 喜びに似てさらにふかい あたらしい無情の溌溂さを光らしてゐるから。

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